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Expectancy

取引結果の期待値

Expectancy は起こり得る結果の大きさと確率を結び付けます。記録した取引の平均は、そのデータ集合の記述であり、将来の推定に使える場合もあります。費用、取引の選び方、推定の不確実性によって、その数値の意味が決まります。

Expectancy は、定めたモデルにおける取引結果の期待値です。実証的には比較可能な完了済み結果の平均で推定します。過去の平均が正でも、将来の利益や限定された下落幅は保証されません。

Expectancy は、定めた確率モデルにおける取引結果の期待値を意味します。期待値は、可能な結果をそれぞれの確率で重み付けします。一方、記録した結果の合計を取引件数で割ったものは標本平均です。そのデータ集合を正確に記述しますが、将来の期待値を推定できるのは追加の仮定がある場合だけです。モデル、実際の実現結果、架空の例のどれを扱うかを明示する必要があります。計算が似ているだけで、これらの概念を混同してはいけません。 [OpenStax — Probability Distributions] [NIST — Confidence Limits for the Mean]

CME は、利益の頻度に平均利益を掛け、そこから損失の頻度に平均損失額を掛けた値を引きます。完了済みのデータ集合について、単位が同じで結果の分類が網羅的なら、これは平均の別表現です。差し引く項の損失は正の大きさであり、再び負数にするものではありません。純結果がゼロの取引も、合計への寄与はゼロですが総件数には残ります。存在しない区分がある場合は、空の区分の未定義な平均を使わず、全結果の合計を直接使ってください。 [CME — The Mathematics of Trading Success]

部分的なエントリーや決済によって、ひとつの取引に複数の約定が生じることがあります。Coinbase は部分約定と未約定残量の維持や取消しを説明しています。そのため記録では、約定をどうまとめ、費用をどう割り当てるかを事前に定める必要があります。未決済の残りを完了した利益として扱うことはできず、拒否された注文も自動的に結果ゼロの取引になるわけではありません。実行されなかったシグナルと除外理由は別途記録します。この定義がないと、一見同じ平均でも分母が異なる可能性があります。 [Coinbase — Advanced trade order types]

利益、損失、ゼロ結果に分類する前に、各取引の結果から手数料を引きます。費用控除前の利益が、控除後には別の区分になることもあります。Coinbase は約定に応じて maker と taker の手数料を区別しており、例の固定費用は料金表ではありません。該当する場合は資金調達費用も含めます。約定価格に既に含まれるスプレッドやスリッページを二重に引いてはいけません。換算方法を説明せずに、金額の結果を百分率や別の方法で正規化した結果と直接比較することはできません。 [Coinbase — Markets Trading Rules]

同じ完了済み結果の順序を並べ替えても、合計や算術平均は変わりませんが、累積結果の推移は変わります。したがって平均だけでは、過去の最高値からの下落幅、連続損失の長さ、必要な資金余力は分かりません。これは指標の数学的な限界であり、下の独自例で示します。CME はリスク管理で個々の取引、同時保有ポジション、口座全体のエクスポージャーを区別しています。ポジション規模が変動したり再投資したりする場合には、固定規模の取引の平均を口座の成長にそのまま当てはめることもできません。 [CME — Risk Management and Your Trade Plan]

NIST は、標本平均が標本ごとに変動し、区間推定が不確実性を表すと説明しています。そこで示される統計モデルでは、標本サイズとデータのばらつきが不確実性に影響します。ただし取引件数だけで、戦略の信頼性を普遍的に確認できるわけではありません。特定の区間を使う前に、依存関係のある観測値の扱いを含め、前提を検証する必要があります。この架空のデータから実際の戦略の区間は導きません。計算した平均は、将来利益が出る確率ではありません。 [NIST — Confidence Limits for the Mean]

NFA は仮定上の成績について、後知恵、流動性やスリッページの不完全な反映、実際に損失を負うこととの違いを指摘しています。したがって、選び出した成功取引だけの平均では不十分です。ルール、観測期間全体、費用、提案された取引と実行された取引の違いを記録する必要があります。結果を知ってからルールを変更すると、その後に示す数値の意味が変わります。仮定上の結果と実際の結果は区別できなければなりません。計算例は取引上の優位性の証明ではありません。 [NFA — Use of Promotional Material Containing Hypothetical Performance Results]

新しい実現結果を以前の推定と比較するには、取引の定義、単位、費用の範囲をそろえる必要があります。ポジション規模や執行方法が変われば、平均は変化し得ますが、それは同じ条件の同じ戦略とは限りません。そのため記録では結果を約定やリスク管理ルールと結び付けます。過去の平均は次の利益を約束せず、総エクスポージャーの確認に代わるものでもありません。Expectancy の目的は結果とその前提についての問いを明確にすることであり、ひとつの数値を確実性に変えることではありません。 [Coinbase — Advanced trade order types] [CME — Risk Management and Your Trade Plan]

例例 · EV

平均が正でも大きな下落は起こる

独自の架空データは、同じポジション規模で完全に決済した 10 件の取引からなり、再投資も未決済残量もありません。時系列順の費用控除前結果は [300, 300, 300, 300, -100, -100, -100, -100, -100, -100] USD です。合計は 600 USD、取引あたり平均は 60 USD です。エントリーと決済の合計費用を取引あたり 20 USD、全体で 200 USD と仮定し、ちょうど一度だけ差し引きます。純結果は [280, 280, 280, 280, -120, -120, -120, -120, -120, -120] USD です。合計 400 USD を取引件数で割ると、純平均は 40 USD になります。利益の頻度 0.4 に平均利益 280 USD を掛け、損失の頻度 0.6 に平均損失額 120 USD を掛けた値を引いても同じです。これらの頻度は架空データ集合の性質であり、将来の確率の推定ではありません。グラフは開始時のゼロを含む累積純結果を示します:[0, 280, 560, 840, 1120, 1000, 880, 760, 640, 520, 400] USD。最高値 1120 USD から最終値 400 USD までの最大下落幅は 720 USD です。したがって正の平均は、下落のない推移を意味しません。グラフは口座残高、初期資金、百分率の収益率を表しません。費用は例の仮定にすぎず、税金と資金調達は考慮せず、モデルから将来の成績を導くこともありません。

理解を深めるには、この項目とあわせて次もお読みください Risk-reward Ratio, Slippage, Position Sizing, Backtesting, Risk Management. 次の項目からも参照されています Risk of Ruin, Kelly Criterion, Trading Journal.

01Expectancy が正なら次の取引で利益が出るという意味ですか?

いいえ。期待値は個々の取引の結果ではありません。また、過去のデータ集合の正の平均が、将来の期待値の信頼できる推定とは限りません。

02利益が出た取引だけで平均を計算できますか?

その数値は利益の大きさだけを記述します。全体の平均には、損失や純結果ゼロの取引、明確な費用、事前に定めた完了取引の単位も必要です。

DOC · 001OpenStax — Probability Distributions文書 ↗DOC · 002CME — The Mathematics of Trading Success文書 ↗DOC · 003Coinbase — Markets Trading Rules文書 ↗DOC · 004Coinbase — Advanced trade order types文書 ↗DOC · 005NIST — Confidence Limits for the Mean文書 ↗DOC · 006NFA — Use of Promotional Material Containing Hypothetical Performance Results文書 ↗DOC · 007CME — Risk Management and Your Trade Plan文書 ↗
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