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Quantity Theory of Money

貨幣数量説

交換方程式に流通速度と実質産出の仮定を加え、貨幣量と価格の関係を説明する理論。

Quantity Theory of Money は貨幣量を名目産出と物価水準に結び付ける。V = PY/M と定義すれば、所得型の式 M × V = P × Y は恒等式となる。M の変化が P の変化をどう引き起こすか予測するには、流通速度 V と実質産出 Y の反応モデルも必要であり、等式だけでは因果関係は確定しない。

ここで採用する所得型では、M は貨幣量、V は名目産出に対する流通速度、P は物価水準、Y は実質産出を指す。P × Y は期間内の名目産出である。この V の定義なら M × V = P × Y は会計上の恒等式だが、どの変数が調整するかは示さない。産出ではなく全取引を数えるなら、速度の定義も変える必要がある。 [St. Louis Fed — Money and Inflation Explained]

McCallum と Nelson の2010年の論文は、名目貨幣量の外生的増加に対し、長期に価格が比例して反応する結果を論じる。外生的とはモデル化した体系の外から来る変化という意味であり、条件付きの理論結果である。IMF はマネタリズムで V が通常安定的とされる点を強調する。安定性と Y の反応には根拠が必要で、仮定を観測事実とは扱えない。論文は著者の見解であり、Fed の拘束的な立場ではない。 [IMF — What Is Monetarism?, 2014] [McCallum and Nelson — Money and Inflation: Some Critical Issues, 2010]

独自モデル M = 100、V = 2、Y = 100 なら P = 2。V と Y を固定して M を110へ増やせば P = 2.2となり、10%上昇する。しかし同時に Y が110へ増えれば P は2のままである。Y = 100なら V が20/11へ低下しても同じ P を保てる。これらは異なる仮定であり、同一の現実経済に対する三つの予測ではない。 [St. Louis Fed — Money and Inflation Explained]

独自例では M が10%増え、V は一定、Y が4%増える。P の正確な変化は (1.10/1.04 − 1) × 100 ≈ 5.77%であり、厳密に6%ではない。ここで10 − 4 = 6はパーセントポイントでの近似である。正確には水準の比率か対数変化を用いる。通常の百分率の成長率を誤差なく単純に足し引きすることはできない。 [St. Louis Fed — Money and Inflation Explained]

FRED の M2V は四半期の名目GDPを M2 の四半期平均で割る。この速度を使いながら M にマネタリーベースを代入しても、同じ式の検証にはならない。集計範囲、通貨、期間、年率換算をそろえる必要がある。集計方法の変更だけで計算上の V が変わることもあり、全保有者が行動を変えた証拠にはならない。 [FRED — Velocity of M2 Money Stock]

St. Louis Fed の教材モデルは遊休資源のある状態と生産が能力上限に近い状態を区別する。支出の変化は P だけでなく Y にも影響し得る。V も変わり得る。したがって長期の理論関係は、翌月に同率のインフレが起きることも正確な調整日も約束しない。名目上の中立性から移行費用がゼロだとは導けない。 [St. Louis Fed — Money and Inflation Explained]

Bank of England は、銀行融資が預金を生み、元本返済が預金を消すと説明している。このため広義の貨幣は信用需要や経済活動に反応し得る。観測された M の増加を、すべての価格変化の外生的原因とは自動的に判断できない。準備金と預金も別物であり、両者の関係は固定的な機械的乗数ではない。 [Bank of England — Money Creation in the Modern Economy, 2014]

Bitcoin は発行が制限されるが、保有・利用需要は変化する。BTC で会計するモデル経済なら P は選んだ産出の BTC 建て価格を意味し、自動的に1ビットコインのドル価格を意味するわけではない。2100万の上限だけでは V、Y、BTC/USD の為替レートは決まらない。有用な予測には市場の明確な定義と需要仮定の検証が必要となる。 [Bitcoin.org — FAQ]

理解を深めるには、この項目とあわせて次もお読みください Velocity of Money, Monetary Base, Broad Money, Purchasing Power. 次の項目からも参照されています Velocity of Money.

DOC · 001IMF — What Is Monetarism?, 2014文書 ↗DOC · 002McCallum and Nelson — Money and Inflation: Some Critical Issues, 2010文書 ↗DOC · 003St. Louis Fed — Money and Inflation Explained文書 ↗DOC · 004FRED — Velocity of M2 Money Stock文書 ↗DOC · 005Bank of England — Money Creation in the Modern Economy, 2014文書 ↗DOC · 006Bitcoin.org — FAQ文書 ↗
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