Unit of Account は共通の価値尺度という経済機能を指し、会計を行う組織の意味ではない。価格や債務を何建てで定めるかを示す。支払手段は別でもよい。チェコ・コルナ建ての請求を合意した換算でビットコイン払いしても、元のコルナ価格が固定 BTC 価格になるわけではない。
Bank of England は値札や契約に使う単位を、交換手段および価値保存の機能と区別する。これらは関係するが、常に同じ資産が担うとは限らない。ビットコインの保有や支払いだけでは、店が基本価格、賃金、債務を実際に BTC 建てで設定している証拠にはならない。 [Bank of England — Money in the Modern Economy: An Introduction, 2014]
ECB は計算機能を、財・サービスに価格を付けて比較できることと説明する。独自の4財モデルでは、相互の交換比率は4 × 3/2 = 6組ある。共通の外部単位で四つの価格を示せば、その比率を導ける。A = 20、B = 50なら B/A = 2.5だが、買い手が両財を同じ価値と評価する意味ではない。 [ECB — What Is Money?]
独自の1000 CZKの請求は、合意レート1000000 CZK/BTCなら0.001 BTCに等しい。契約が引き続き1000 CZKを固定し、新レート1250000を使えば0.0008 BTCとなる。手数料を除くモデルであり、現在の相場ではない。合意レート、換算時点、提示の有効期限が重要で、最初のビットコイン額が必ず拘束力を保つとは限らない。 [Bank of England — Money in the Modern Economy: An Introduction, 2014]
逆に合意が0.001 BTCを固定するなら、為替レートは名目ビットコイン債務を変えない。同じモデルでコルナ換算額は1000から1250 CZKへ上がる。換算したコルナ表示だけで契約が書き換わることはない。両例とも、債務の建値、表示通貨、実際の決済方法を分けて考える必要がある。 [Bank of England — Money in the Modern Economy: An Introduction, 2014]
Bitcoin Core は1 BTCを100000000 satoshiと定義するので、0.001 BTCは100000 satoshiとなる。表示を切り替えても保有ビットコインは増減しない。BIP 176は100 satoshiをbitと呼ぶ提案で、同じ額は1000 bitsとなる。本レビュー時点の状態はDraftで、利用は任意である。ここでの貨幣単位bitはデータ単位ではない。 [Bitcoin Core — Amounts in Satoshis] [BIP 176 — Bits Denomination]
BIP 321はbitcoin URIのamountパラメーターに、小数点をピリオドとしコンマを含まない十進数のBTCを指定する。amount=0.001は0.001 BTC、つまり100000 satoshiの要求であり、ウォレットがsatoshi表示でも変わらない。amount=100000に置き換えると別のBTC額になる。BIP 21はBIP 321に置き換えられており、支払要求だけでは元の商取引契約の建値も判明しない。 [BIP 321 — URI Scheme]
独自の買物かごが100から125単位へ25%値上がりする。100単位の残高で買える量は一つから0.8個に減る。単位名と名目残高が同じでも購買力は20%低下する。したがって計算機能と価値保存は別の問題である。同様に表示、市場為替レート、実物の買物かごの価格の変化も区別する。 [ECB — What Is Money?]
BISは2022年に貨幣機能を区別し、既存通貨に連動するstablecoinsをその名目尺度を借りるものと説明する。デジタル支払手段が新しい計算単位を作るとは限らず、目標レートだけでは連動の維持も保証されない。BTCの採用を論じる際は価格と債務の実際の建値を調べる。取引数やサイトの通貨切替だけでは不十分である。 [BIS — The Future Monetary System, 2022]
理解を深めるには、この項目とあわせて次もお読みください Medium of Exchange, Store of Value, Satoshi, Purchasing Power. 次の項目からも参照されています Satoshi, Medium of Exchange, Store of Value, Purchasing Power.